集印「帖」から集印「帳」へ
大正〜昭和前期での集印帖の呼び方は、実例で見たように、「集印帖」や「蒐印帖」がある程度定着していたようである。
ところが、第二次大戦後の昭和21(1946)年に当用漢字が制定された。この当用漢字の表には「帖」や「蒐」の字がなく、「集印帖」や「蒐印帖」と書くことができなくなってしまった。そのため、当用漢字の表にある「帳」の字を使って「集印帳」と書き換えることになった。
昭和31(1956)年、国語審議会から「同音の漢字による書きかえ」が出され、その中には「帖」を「帳」に、「蒐」を「収」に書き換える例が示されている。
× × 手帖→手帳 蒐集→収集
ここには掲げられていないが、「蒐印」は「集印」と書き換えるのだろう。
その後、昭和56(1981)年に当用漢字は廃止されて常用漢字になった。当用漢字の時は、当用漢字以外は使ってはいけないという制限だったが、常用漢字では、常用漢字を使いましょうという目安になり、規則としてはゆるやかなものに変更された。
しかし、常用漢字にも「帖」や「蒐」の字はなく、「集印帳」と書き換えることには変わりがなかった。
「朱印帖」も同様で、当用漢字の制定後は「朱印帳」と書くようなったのである。
2015年5月20日作成 [集印帖全般]
最終更新時間:2019年09月14日 23時28分44秒